この街では素晴らしい言葉は，記念碑だけ・・・。
「スミス都に行く」
仕事や現実で嫌なことがあって，心がしょげ返っているときに，
私はこの映画を観ます。
そうすると観終わるころには，なぜか気持ちが清々しくなっています。
古典の名作【スミス都に行く】
この映画は私のお気に入りです。
古い映画でありながら，映画の本道は外さない。
簡単に言えば，古き良きアメリカ映画です。
１９３９年の作品ですから８０年以上前といったら，太平洋戦争も始まってません。
日本は色んな意味で，こんな余裕のある国と戦争をしたのですね。(^-^;
第12回アカデミー賞で作品賞を含む合計11部門にノミネートされるも、原案賞のみの受賞。
この年のノミネート作品はバケモノ級の名作ばかりで，
こんな作品が作成されていました。
- 『風と共に去りぬ』
- 『チップス先生さようなら』
- 『駅馬車』
- 『オズの魔法使』
出典 ウィキペディア
スートーリー1 夢をもって
ストーリーはジャンルでいえば，政治ものです。
州を牛耳っている悪徳企業家ジムテイラー。
多数の政治家を使い，無理なダム建設法案を通し，膨大な利益をもくろんでいるところに，その中のひとりが急死。
法案を通すには，どうしても議員の頭数が必要です。
代役をたてなければならなくなった企業ジムテイラー派の知事が，目を付けたのが，
純朴で正義感は強いが，政治のことなどまったくわからない，ボーイスカウトの団長スミス。
多数のこどもとその親から絶大な人気の彼を取り込めば，なんとか法案を通すことができる。
そうとは知らないスミスは，選出されて議員となり，首都ワシントンへ送り込まれます。
新聞記者であった彼の父親は昔，政治腐敗を暴こうとして殺されています。
そのときの相棒だったのが，今はジムテイラーのフォローを受けている派閥のトップのペイン上院議員。
彼は次期大統領候補ともうわさされています。
ペイン議員もスミスに好意を持ち，政治家として引き立てようと悪く思っていません。
政治を少しでも良くして，国民に答えようと胸いっぱいのスミス。
彼は理想の政治に燃えていて，政治のそのおぞましい本当の姿を知りません。
首都ワシントンに到着しました。
田舎者の彼は気もそぞろで，心ここにあらず。
気が付くと首都観光バスに飛び乗っていました。
慌てて探す取り巻き連中。
これまで国を支えてきた政治家の名所をめぐり，最後に来たのがリンカーン記念堂。
第16代アメリカ合衆国大統領
エイブラハム・リンカーン。
この人はアメリカの奴隷制度に反対し，解放した英雄ですが，最後には暴漢に暗殺されています。
そんな彼の彫像の前に立ち，感慨深く眺めていると，
隣に来たおじいさんが，孫に記念碑を読ませます。
「人民の，人民による，人民のための政治」
Do not extinct the politics of the people, by the people, for the people from the earth
人民の、人民による、人民のための政治を地上から絶滅させない
出典 ウィキペディア
黒人の老人もそれを傍らで聞き，帽子を両手に尊敬のまなざしで彫像を仰ぎ見ています。
・・・先日，またこの映画を観て，どうしても描きたくなりました。
物語はここから，展開していくのでこの話はエピソードにすぎませんが，これがあるから，後半の物語が生きてきます。
本当に良い作品です。
一度見ていただけたなら，とてもうれしく感じます。
スートーリー2 政治の現実
一年ぶりに追記を・・・(^-^;
本当はもう１シーン描きたかったのデス。
張りぼて議員
少しでも国を良くしようとこころざし燃え上がるスミスですが，議員数の補充として選出されたことを政治記者は知っています。
彼をおだてあげ，張りぼて議員であることを面白おかしく記事にされてしまったスミス。
怒りに震え，記者を追い回しますが，ベテラン記者に何ができるのか?
何もできないなら張りぼてだろうとダメを押されてしまい，ようやく自分の立場がわかってしまいました。
真剣に自分でできることを考え続けるスミス。
「そうだ。将来をしょって立つ子供たちに夢と希望を与えよう。」
そのためには自然のすばらしさを経験させるキャンプ施設の設立がいい!
費用は将来，一人前になったときに返すことにすれば予算もそれほど必要ない。
有能な女性秘書アーサーの手を借り，ついにスミスは議案をまとめ出しました。
議会での発議
ついに発議の日がやってきました。
彼が寝食を忘れ取り組んできたことを同派の議員たちは知っています。
内容も党のイメージアップにつながる。
ペイン議員を筆頭ににこやかに眺めています。
ところが，建設場所を発言したとたん全員の顔色が・・・💦
テリー渓谷・・・・。
そこは黒幕の ジムテイラー がダム建設を隠れみのに密かに買収をすすめ，巨大な利益をあげようと計画をすすめていた土地だったのです。
政治(権力)の怖さ 罠
すぐさま，それを阻止しようとするテイラー派議員たち。
ダム建設法案決議の日は知らせず欠席させ，ジムテイラー自らワシントンに出向き買収しますが，スミスは聞き入れません。
テイラーは最後の罠をしかけます。
なおも議会でダム法案を反対するスミスに対して，
キャンプ場の土地をスミスが買いとって，売却しようとしている証拠がある。
不正をしているのはスミスだ。
スミスを上院から除名すると。
そんな事実はないとスミスは抗いますが，なんと証拠の契約書や嘘の証言まで用意されています。
審問委員会にもかけられ，尊敬していたペイン議員にも裏切られ絶望するスミス。
荷物を抱えリンカーン記念堂から出てくるスミスはまさに負け犬・・・。
力なくトランクの腰をおろし，悲しみにつつまれ涙さえ浮かべ途方に暮れている。
「 この街では素晴らしい言葉は，記念碑だけ・・・。 汚い連中がその記念碑を建て都合よく利用する。ボクのいる場所じゃない 。」
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